episode23缶コーヒー
妻は記憶力が良く、細かなことまで良く覚えています。
一方私は考え方や思いなどを重視するためか、結構曖昧で細かなことまで覚えていることは稀です。
そのため、以前はこう言っていたくせに、今度は違うことを言うと妻に責められることが良くあります。
私は覚えていないので、ほとんどの場合、ただ謝るしかありません。
そして妻がプンプン怒って自室に戻るのが常です。
先日、こんなことがありました。
妻も私もコーヒーが大好きで、仕事の合間には缶コーヒーを良く飲んでいます。
飲みたくなるというより、気分転換の意味合いが強いので、仕事がうまく進まずにイライラしてくるとつい飲んでしまいます。
飲み終った缶は、水で中を洗ってからゴミ箱に入れるよう、妻からきつく指導されています。
それはちゃんと理解しているのですが、不思議なもので、缶コーヒーを飲んでいる間より、缶を洗うために台所に向かう時の方が仕事のアイデアが浮かんできます。
身体を動かすことが影響しているんじゃないかと思いますが、アイデアを思いつくと、つい台所に空き缶を放り出して自室に飛んで帰って仕事をしてしまいます。
そんな時に限って、妻が台所に降りてきて、置きっぱなしの空き缶を見つけます。
それでまた厳しく指導されるのです。
その日、私は朝飲んだだけで、指導通りすぐゴミ箱に捨てました。
ですが夕方、妻が二階から降りてきて台所に立った時「またこんなところに置いて!」と怒っている声が聞こえてきました。
私はびっくりして台所に行くと、
「これはなに?!」って指さしている先にはコーヒーの缶があります。
「ちゃんと洗って捨ててよね!」
「いつも言ってるでしょ!!」って顔を赤くして怒ります。
私は反射的に「あ…ごめん」
置きっぱなしにしていたんだって思い、謝りました。
妻がそう言うんだから私が置いたんだって瞬間的に思いました。
だから素直に謝ったんですが…。
ですが良く考えてみると、朝以降に缶コーヒーを飲んだ記憶がありません。
意味が分からなくて、朝からの行動を思い返します。
もしかしてその時にちゃんとゴミ箱に入れなかったのかな…。
思い返しますが、どうも覚えていません。
すると妻が…「あれ、私かな??」って言いだします。
「今日、缶コーヒー飲んだ?」って聞くので、
「朝に飲んだけど…今は飲んでないよ…」
「そっか、じゃあいいや」
と、手早く缶を洗ってゴミ箱に入れ、そのまま二階に上がっていきました…。
怒られて、思わず謝ってしまう私…。
勘違いしたのがもし私だったら、妻はどれだけ顔を真っ赤にするんでしょう…。
でも…
常に厳しく私を指導してくれる…
こんな妻のことが大好きです。。。