episode5醤油
妻は仕事に余裕がある時、
本当に時々ですが…買い物に付き合ってくれる時があります。
多分、家にずっといるとストレスが溜まってしまうから一緒に行ってくれるので
あって、決して私を手伝うとかではないと思いますが…。
先日、一緒に買い物に行ってあげると言われた時のことです。
そろそろ醤油を買わなくちゃいけないし、
いつものスーパーは品揃えも少ないから、
ちょっと離れたところにある大型スーパーなら豊富に揃ってるかもって話になり、
車で向かいました。
スーパーに到着して、
妻がスウィーツやお菓子などを見ている間に、私は夕食や明日の朝食の材料を
カゴに入れていました。
そして一緒に醤油の陳列棚を見に行きました。
妻は自分で選びたかったのか、
陳列棚を凝視し、あれこれと手に取って眺めていましたが、
やがて「これが良いわ!」って一つの商品を手にしました。
妻の手元をよく見ると、それは「卵かけごはん用醤油」と書かれています。
私は「それ、卵かけごはん用だから、違うよ。こっちの方がいいよ」と
別のものを指さしますが、
妻は「でも、これの方がおいしそうだから、これにしようよ!」と譲りません。
皆さんはご存知だと思いますが、
「卵かけごはん用醤油」って、みりんなどが入っていて、ちょっと甘さがあります。
私はお刺身などにも使える、普通の醤油を買おうと思っていました。
お刺身を甘い醤油で食べるのはさすがにちょっと…。
二人が醤油の陳列棚の前でずっと話していたからでしょうか、
他のお客さん数人も醤油コーナー付近をあれこれ見始めました。
スーパーなどではこんな現象が良くあると思います。
他の人も醤油を見たいはずだし、邪魔をするのも嫌なので、
「こっちの醤油でいいから、これにしようよ」と言って普通の醤油を手にした途端、
「何よ、こっちの方がきっと美味しいのに!! ケチィ~!!!!」と
大きな声で言われました。
ええっ!!
どうしてケチなの???
って思って「どうしてケチなの…?」って恐る恐る聞くと、
「だって、こっちの方が絶対美味しそうなのに!」
「値段がちょっと高いからそれにするんでしょ!」
って怒っています。
「違うよ。卵かけごはん用醤油じゃなくて…」って説明しようとしましたが…
聞こうともせずに、スタスタと歩いて行ってしまいます。
気が付いたら、周りのお客さんは誰一人いなくなってました。
ちなみに…
私はケチではありません…。
それに値段が高い醤油っていっても、たかが知れていますよね…。
帰りの車中、
卵かけごはん用醤油と普通の醤油の違いや周りのお客さんの様子を話すと…
「どうしてあの時すぐにそれを言ってくれないのよ!! 恥ずかしいでしょ!!!」
とまた怒られました…。
いや…恥ずかしいのは…私であって…。
でも私は、こんな妻のことが大好きです。。。