episode12洗濯物
妻と私は仕事が忙しくなると、昼間寝て、夜中に仕事をすることが多くなります。
夜中しか起きていない時、どうしても困るのが洗濯物です。
昼間ベランダに洗濯物を外に干せなくなるからです。
すると必然的に部屋干しになってしまいます。
洗濯物はリビングに置いてある移動式ハンガーラックに干すのですが、
それだけでは二人分の洗濯物を全部干せません。
そんな時に私の和室は大活躍です。
和室の入り口は襖で、その上には柱が横に走っています。
そこにハンガーを掛けて洗濯物を干すようにしています。
そこなら冬はエアコンの温風が直接当たるので、洗濯物は早く乾きます。
妻の仕事部屋兼寝室は洋間ですので、部屋に柱なんかなく、
洗濯物を干す場所がありません。
結局、リビングと和室の入り口に洗濯物がズラッと並ぶことになります。
その景色はまるで洗濯物の暖簾が掛かっているようですが、
和室に出入りするためには、腰をかがめて入るしかありません。
ある日、珍しく妻が洗濯を始めました。
それまで猛烈に忙しく、洗濯どころではなかったせいもあり、
洗濯物が溜まっていました。
ちゃんと考えてくれているんだなって、ちょっとうれしかったのを覚えています。
洗濯が終わったのでしょう、妻が洗濯物を干し始めました。
もちろん和室の入り口にもズラッと洗濯物を干しています。
私は和室の室内で、やるときはやるんだなぁって思いながら、
仕事を終わらせるべく集中していました。
仕事が終わってふと和室の入り口を見ると、
妻のショーツがズラッと並んでいます!
うわぁ…って思いながらショーツの暖簾をくぐってリビングに行くと、
ハンガーラックには妻のものばかりが干されています。
私のものはって、探すと…見つけました。
Tシャツが一枚…。
思わず妻の部屋に行き、
「洗濯…」って言いかけた途端、
「着るものが無くなってきたから、自分で洗濯しておいたよ!」
「洗濯してくれないから、着替えがなくなってきたじゃない!」
「あなたのも洗ってあげたからね!」
「私の下着、和室の入り口の方が早く乾くから、そっちに干したからね!」
「私の下着でHな妄想しないでよ!」
私はまたショーツの暖簾をくぐって和室に戻りました。
でも、
私のTシャツを、頼まれないのに洗濯してくれる
こんな妻のことが大好きです。。。