episode14お弁当
いくら忙しくても、食料は買いに行かなければなりません。
普段は私が行き、
二人ともに忙しい場合も私が、
つまり、常に私が買い物に行きます。
ですが厄介なのが、私が暇で、
妻だけが忙しく、しかも仕事が順調じゃない時です。
食事の時にも一言も話さなくなりますし、
そもそも「食事の用意が出来たよ」って声を掛けに行くのも勇気が必要です。
以前、食事のことを伝えるため部屋に入る時、
少しでも気分転換になればって思い、わざとテンションを上げて
「美味しい食事の用意が出来ましたよ~!」って入っていったら、
「うるさいよ!」
「こっちは真剣に仕事してるのに邪魔しないで!!」
って怒鳴られました。
決して邪魔をするつもりではなかったんですが…。
それ以来、仕事中の妻に食事のことを伝える時には、
なるべく刺激しないよう、低めのテンションを心掛けています。
ある時、仕事が上手く進んでいない時はストレスも溜まっているだろうから、
美味しいものを食べれば少しは発散できるかなと思いつきました。
そこで自宅から車で20分ほどのショッピングビルに、
美味しい和食のお弁当を買いに行ったことがあります。
距離的には20分程ですが、駐車場は離れていて、立体駐車場です。
おまけに常に混んでいるので、余分に10分程かかります
つまり片道30分かけてお弁当を買いに行きました。
値段は高いんですが、さすがに美味しくて、
和食好きの妻は笑顔で食べてくれました。
ですが私も、いつも暇なわけではありません。
和食のお弁当を食べてもらった数日後、私も忙しくなってきました。
忙しい中、あたふたしながら近所のスーパーに買い物に行き、
久しぶりにお肉でも食べて元気を出してもらおうと、
味付け肉を買ってきました。
手早く料理を済ませて、妻に食事のことを低いテンションで伝えると
無言でリビングに降りてきました。
相変わらず仕事は順調じゃないんでしょう。
無言で食事し始めます。
食べていても、一言も発しないので、
「どう? 美味しい?」
「時間が無かったけど、料理したよ」って言うと…
一気に顔が赤くなって、
「何?! 美味しいって言わないといけないの?!」
「前のお弁当の方が美味しかったけど?!!」
って強い口調で言われました…。
それ以来、妻のことを考えて料理を作っても
機嫌が良さそうな時にしか「美味しい?」って聞かないようにしています。
あまりに機嫌が悪そうな時は、
片道30分、往復で1時間かけて和食のお弁当を買いに行くようにしています。
でも、
私が作った食事を、美味しいか聞かない限りは文句も言わず食べてくれる…
こんな妻のことが大好きです。。。