episode15ごはん
本当は別のテーマで書くつもりでしたが、今日あまりにもハードな出来事があったので、急遽テーマを変更しました。
題して「ごはん」です。
最近は私の仕事の方が忙しく、妻はちょっとのんびりできているようです。
私がバタバタと買い物に行ったり、あたふたと食事を作るのを妻も見ていて、何か感じるものがあったのでしょうか。
今日は珍しく妻がごはんを炊いてくれました。
感じるものがあったと言っても、おかずまで作ってくれたわけではありませんが…。
一階の和室で仕事をしていて、妻が台所で何かやってることは知ってましたが、必死に仕事をしていた私は、まさかごはんを炊いてくれていたなんて知りませんでした。
妻が二階の自室に戻っておよそ一時間後、台所から「ピーッ」という音がしました。
それで初めてごはんを炊いてくれていたことを知りました。
その音を聞いて、どんなにうれしかったでしょう…。
妻も私が大変なことをちゃんと分かってくれているんだ。
そう思うと、いつもあんなに怒ってばかりの妻が可愛く思えてきました。
よし、頑張って美味しいおかずを作ろう!
あ!
まず先にごはんをほぐさなきゃって思って、しゃもじを使ってごはんに差し込んだ途端、ブツブツとなんだか硬い感触が伝わってきました。
そうです…。
ごはんが異様に硬いんです。
ほぐしてもほぐしても硬いごはんが底から出てきます。
試しにちょっと食べてみると…
うわぁ…まるで冷蔵庫に入れて数日間忘れていたおにぎりのような硬さです。
でも、お腹も空いてきたし、このごはんを食べるしかありません。
手早くおかずを作り、妻を呼びに行くと、
「ごはん、炊いたのよ」
「頑張ったのよ」
と妙に可愛い言葉遣いが気になります。
夕食は、ごはんを何度も噛むことに集中して、おかずの味が分かりませんでした。
硬いごはんを食べながら妻が言いました。
「一生懸命ごはんを炊いたけど、硬いね」
「私には料理する才能がないのかな…」
そんな風に言われると、
「そんなことしなくていいんだよ、私がするから」と、つい言ってしまう私です。
食事が終わって妻が二階に上がる直前に言いました。
「私がごはんを炊いたら美味しくないでしょ!」
「明日からは、あなたがやってね!」
やられました…。
手伝うと大変なことになるでしょってことを、行動で私に納得させたのです。
でも…
私のためにわざわざごはんを炊いてくれる
こんな妻のことが大好きです。。。