episode2ごみ箱
妻と私の食事は、お互いの仕事の都合で一緒だったり、別々だったりします。
時には食事だけでなく、一緒にケーキなんかを食べたりするのですが、それらは全て一階のリビングでしています。
リビングにはテーブルがあり、その横には可燃ごみ用のごみ箱を置いてあります。
食事などをすると、ごみや食べ残しなどがどうしてもでてしまいますので、便利なようにすぐ側に置いています。
リビングのすぐ横は台所ですが、そこにはプラごみと不燃物のごみ箱しか置いていません。
また私の仕事部屋はリビングの隣なのですが、そこにもゴミ箱は置いていません。
つまり、一階には可燃ごみ用のごみ箱は一つしかない訳です。
二人ともにリビングで食事をするのですから、当然そのごみ箱は妻と私の共用ごみ箱になります。
比較的大きなごみ箱ですが、二人で使うとすぐにいっぱいになってしまいます。
私の思いとしては、気が付いた方がごみを片付ければいいと思っていたのです。
ある日、妻が不機嫌そうにバンバン派手な音を立て、ごみ箱の中のからごみがいっぱいになったビニール袋を取り出して口を縛っていました。
その時点で察知すれば良かったのですが…私は仕事をしていたので、気にも留めませんでした。
その数日後、また妻がこの前よりもっと大きな音をたて、ごみ袋を取り出していました。
そして私の方をくるりと向いて「自分のごみなんだから、ちゃんと片付けてよね!」と怒鳴りました。
見ると、顔は怒りで真っ赤です。
びっくりして「二人で使ってるから、気が付いた方が片付ければ…」って言いかけると、「このごみ箱、私ばっかりが片付けてるじゃない、一階はあなたがいるんだからあなたのごみがほとんどでしょ!」
「私は自分の部屋のごみは自分で片付けてるじゃない、自分のことは自分でやってくれる?!」と畳みかけるように言われました。
私の仕事は、ほとんどごみは出ません。
私のごみっていっても、せいぜいタバコの吸い殻ぐらいです。
それに、妻の部屋のごみ箱って、私は一度も使ったことはありません。
だから妻が捨てるのは全部自分で出したごみで…
もう一度そのことを主張しようとした瞬間…
「この間もごみがいっぱいで、片付けるのに吸い殻が床に落ちたの。汚いでしょ!ちゃんと片付けて!!!」
と…真っ赤な顔で言い放って二階に上がっていきました。
それ以来、私は必ずごみがいっぱいになる前に片付けています。
そして、週に四回ある朝のごみ出しは全て私の担当になりました。
でも…
私はそんな妻のことが大好きです。。。