episode24深夜の買い物
妻と私の生活は不規則です。
そうなると食事もやはり不規則になってしまいます。
朝方に夕飯を食べることもありますし、夜中に朝食を食べることもあります。
忙しい時は、生活のサイクルが変わるだけでなく、長時間起きていなければならないこともあります。
24時間起きているなんてこともざらです。
長い時間起きていると、一日三食では足りません。
四食食べることもあります。
お腹が減ってくると仕事に集中できなくなってしまい、余計に進まなくなります。
もちろん、前もって相当時間が掛かることが分かっている場合には間食を用意しておきますが、困るのは予想外に時間が掛かった時です。
そんな時には何時であろうが買い物に行くしかありません。
少し前の冬のことです。
妻が忙しく、私が比較的のんびりできている時がありました。
その日、妻は予想外に時間が掛かり、長時間起きているようでした。
私は昼に起きて翌日の朝方に寝るというリズムで過ごしていました。
深夜、妻がいきなり私の部屋に入ってきて「お腹空いてない?」って聞いてきました。
「え、そうでもないけど…」って言うと、
「そう…」って寂しそうに部屋へ戻ろうとします。
「お腹空いたの? 食事は食べた?」って聞くと、
「食べたよ…」とだけしか言いません。
妻がこんなに控えめな言い方をするのは、相当お腹が空いているんでしょう。
可哀想だと思って「コンビニに行ってこようか?」って聞くと、
「ううん、自分で行くからいい…」
時間は深夜の3時です。
いくらなんでもこんな時間に歩いてコンビニなんか行かせられません。
「いいよ、行ってあげるから」
「そんな…悪いもの…」
こんな風に言われると、もう私が行くしかありません。
私はいつも家でジャージの上下で過ごしています。
真冬の深夜3時に、その恰好でウロつくのは寒すぎます。
わざわざ着替えてコンビニに行ってきました。
買い物から帰ってくると、妻はニコニコしながらリビングで待っていました。
そして食事をしてお腹いっぱいになると、部屋へ戻っていきました。
私は妻に喜んでもらえたのが何だかうれしくて、ちょっとだけ話をしたいって思ってしまいました。
妻の部屋に入り「ねえ、今度の休み…」って言いかけると、
「今仕事してるの!」
「邪魔しないでくれる?!」
と、いつものように真っ赤な顔で怒られました。
「硬軟織り交ぜる」って言葉があります。
厳しい部分と優しい部分を上手に使い分けて自分の意を通すってことでしょうが…
妻のような場合は…「剛軟織り交ぜる」というんでしょう…。
でも…
お腹が空いた時は私に頼ってくれる…
こんな妻のことが大好きです。。。