episode30ブラシ
妻は常に仕事に対して全力で取り組みます。
そこまでやらなくてもいいだろうと思う時もあるぐらいです。
それ故に、クライアントとも真正面からぶつかることもあります。
あまりに正直すぎるんでしょうか。
ですが、仕事を離れるとなんだかボンヤリした人に思える時があります。
この人、天然?
大丈夫なの?
って思えてしまうんです。
つまり仕事をしている時はON状態で、それ以外の時はOFFになるわけです。
ONとOFFを見誤ると、強烈な爆弾が爆発するので、油断は禁物です。
今まで私は何度もそれで地雷を踏んできました…。
少し前のことですが、
妻が風呂上りにリビングに座って髪を乾かしていました。
妻は髪が多く、しかも一本一本が硬いので、乾かすのに時間が掛かります。
洗面所で乾かしていると大変なんでしょう。
しかもその時妻はロングヘアでしたので、ブラシで髪を梳きながら乾かすのにも苦労していました。
私は隣の部屋で仕事をしていましたが、リビングから妻の叫び声がしました。
「痛ッ!!!!!」
何かと思いリビングに飛んでいくと、片目を押さえています。
「どうしたの?」
「ブラシで目を突いたぁ、痛い!!!」
目を見てみると、白目のところに血の跡があります。
「うわぁ…可哀想に…大丈夫?」
「うん…痛いけど大丈夫…」とのこと。
どうしてそんなことになったのかを聞くと、
「髪を梳いていたら、ブラシが通らなくて、力いっぱい梳いたら目を突いた…」
そうです。
髪が多いうえにロングヘアのため、髪が絡まりやすくてブラシが通らなかったんでしょう。
ですが…ブラシで目を突くなんて初めて聞きました。
私はたいしたことがなくてホッとしたのと、
ブラシで目を突くっていう前代未聞の出来事が何だか可笑しくて、
クスクス笑っていたら…
「ちょっとは真剣に心配したらどうなのよ!!」
「仕事のことを考えてたらこうなったのよ!」
「あなたみたいに、仕事が終わったらすぐ遊びのこと考えてるわけじゃないの!!」
と風呂上がりの赤い顔をもっと赤くして怒られました…。
妻は風呂上りでもON状態だったようです…。
ONとOFFを見誤りました…。
それ以来、私は妻の目のことをからかわないようにしています。
妻が自分から自虐的に話す時は明らかにOFFなので一緒に大笑いしますが、モードが分からない場合は決して私から話題にしないようになりました。
特に仕事モードになっている時は地雷です…。
でも…
ONとOFFの落差が大きすぎる…
こんな妻のことが大好きです。。。