episode36シール
妻は、洗濯物を干したりするのは基本的に私の仕事だと思っているようです。
私の仕事ってはっきり言われてしまうとさすがに辛いですが、妻は決してそんな風には言いません。
ですが、自分からすすんで洗濯など家のことをすることはまずありませんので、結果的に私がやることになっています。
そのため、ごくまれに手伝ってくれる時はよっぽど暇か機嫌がいい時ってことです。
とは言っても、妻の機嫌がいい時、一緒に家事をしながらペチャクチャ喋るのは楽しいです。
お互いに冗談なんかを言いながらやるのですから、家事もはかどります
もう数年前の話ですが、やっぱり冗談を言いながら洗濯物を干していました。
その時妻が、私が妻のTシャツを干すと必ず裾が丸まっているって文句を言ってきました。
私はTシャツなどを干す時、必ず伸ばして干しているので、そんな風になることはあり得ません。
妻は日頃から私にいつも怒っていることを自覚しているようで、Tシャツの裾が丸まっていたのは私がわざと仕返しでやっているのだと主張します。
話している時の空気は怒っている風ではありませんでしたが、裾が丸まっていたのは事実だったようです。
そこで私は妻が私の手元を見ていることを承知で、妻のTシャツを干す時、裾を少し丸めました。
すると案の定「ほらぁ!! やっぱりわざとだ!!」
って、本気か冗談か分からない表情で文句を言っていました。
それ以来、妻の洗濯物に何かあると、全部私のせいにされるようになってしまいました。
そしてつい先日のことです。
お互いに忙しく、洗濯する余裕もなかったのですが、妻が時間を作って洗濯をしていました。
いつものようにほとんどが妻のもので、私のものはごく一部です。
これはいつものことなので、今更何も思うことはありません。
そして洗濯物が乾いて妻が自分で取り込んでいましたが、突然大きな声を上げます。
「なによ~! これ!!」
びっくりして妻のところに駆け寄ると、手には妻のショーツがあります。
「ほら、ショーツに何かのシールがくっ付いてる!!」
見せてもらうと、なるほど何かのシールの切れ端が貼りついています。
「なんのシールだろうね?」って言うと、
「あなたでしょ?!」
「こんな子供みたいなこと、しないでよね!!」って怒っています。
「私じゃないよ、そんなの知らないよ」
「嘘よ! 前もTシャツの裾を丸めてたじゃない!」
「忙しい時にこんなつまらない冗談しないでくれる?!!」
と真っ赤な顔で怒ります。
私は忙しくて妻の洗濯物に触りもしていません。
妻が洗って、妻が干したんです。
そのことを主張すると「だってあなたは一階にいて、いつでもこんなことできるじゃない!」
「あなただったらこういうこと、やりそうよね!!」
とプンプン怒りながら洗濯物を持って自室に戻っていきました…。
暇なときは笑って済むことも、忙しいと怒りに変わってしまいます…。
ですが…濡れ衣です…。
何とか分かってもらいたいんだけど…。
こんな時間だけど、コンビニに妻の好物のスイーツを買いに行ってこよう…。
でも…
私の冗談を笑ってくれる時もある…
こんな妻のことが大好きです。。。