episode45ポール
我が家には購入して一年経っていないSUV車があります。
あまり人が乗っていない車種なので、街中で見かけることも少なく、私のお気に入りです。
私は運転歴も長く、昔は色んなところを走り回っていたので、車の運転は大好きです。
妻も免許を持ってはいますが、ぺーパードライバーで、もっぱら助手席専門です。
妻が免許を取ってすぐの頃、私が当時乗っていたスポーティーな車を運転したことがあります。
その頃住んでいた近くの幹線道路を走ったのですが、細い道では超トロトロ運転だし、大通りに合流する場所では後方の車の都合を考えずに合流してしまい、横に乗っていた私はすごく怖かったことを覚えています。
妻が通った教習所の車にはポールが付いており(今も付いているのかもしれませんが)、狭い道でもポールを頼りにすれば車幅感覚が分かりやすいようになっていました。
それに教習車はごく普通のセダンですから、運転もしやすいはずです。
妻がスポーティーな車を運転したのは初めてですから、違和感はあったと思います。
もちろんポールなんてどこにも付いていないし、クラッチも重いです。
おまけに視界もセダンに比べると良くありません。
妻もおっかなびっくりで運転していたのでしょう。
運転している時、私に「危ない!」とか「後ろを見て! 車が来てる!」とか言われて、自分でもあまり向いてないって思ったのか、それ以降は運転しなくなってしまいました。
今のSUVはどんな車を購入するか相談していた時、妻がデザインを気に入ったため購入しました。
それがきっかけになったのでしょうか。
最近車を運転したいって言い始めました。
ですが、まだ購入して間がない車です。
擦って傷が付いたら私はショックで寝込んでしまうかもしれません。
しかも我が家の近所は細い道が多く、すれ違いも難しいところが多くあります。
そのことを妻に伝えると…
「大丈夫よ! ポールさえ付けておけば擦ることはないから!」
「先が光るポールを付ければ夜でも大丈夫だし!」って自信満々です。
でも話を聞くと、車の四隅にポールを付けるって考えているようでした。
ちょっと目立つSUVの四隅に、ハートマークなどが光るポールが付いているのを想像するだけで恥ずかしくなってしまいます。
自分の車を持ち込んで練習できる教習所があるそうですので、そこで少しづつ練習すればって思っていたんですが…。
そんな派手なポールを四隅に付けたSUVなんて…私は恥ずかしくて乗れません…。
そのことを妻に伝えると…
「どうしてダメなのよ! 可愛いじゃない!!」
「私だって車を運転したいでしょ!!」
「じゃあぶつけてもいいの?!」
「それが嫌だったらポール付けるわよ!!」
と顔を真っ赤にして私を脅します…。
妻は一度言い出したら自分の主張を曲げません。
なんとかなだめて、ポールだけは絶対に阻止しなくては…。
私が車に乗れなくなります…。
でも…
長い間運転していないのに、運転を恐いと思わない…
こんな妻のことが大好きです。。。