episode50朝の生活指導
私たち夫婦はお互いに別々の仕事をしているため、自ずと生活リズムも異なってきます。
時には妻が受けた仕事のある工程を私が手伝うこともあり、そんな時は生活リズムも似通ってきますが、このようなケースはそれほど多くありません。
ほとんどの場合、それぞれが自分のリズムで仕事をしています。
ただ私には妻から強制的に、あ…いや…妻から「これはあなたの担当」って激しく主張された、えっと…妻から一任されたゴミ出しや洗濯などの家事があります。
たとえ仕事が深夜にまで及んだとしても、朝は早く起きなければゴミ出しできませんし、洗濯物もその日中に乾きません。
特にゴミ出しができたかどうかは、朝起きてきた妻がリビングをみればすぐに分かってしまいます。
そのため私はスマホの目覚ましをセットして、眠い目をこすりながらゴミ出しをするのですが、目覚ましを止めて寝てしまうことも過去に何度かありました。
ですが、ゴミをためてしまったことで妻からが文句をいわれたことはこれまで一度もありませんでした。
それは私も疲れていて朝起きられなかったことを妻も分かっていてくれているのだと、勝手に解釈していました。
ゴミ出しできなかったのが2回も続いてしまったある朝のことです。
妻がやや寝ぼけながら自室から出てきました。
私は妻の足音に気付いていたので、妻がすぐに朝食を食べられるよう、洗って伏せてあった食器などを片付け始めていました。
リビングに入ってきた妻は、チラッと2回分のゴミが溜まっている様子をみた後、何も言わずソファーに座りました。
それに私が「おはよう」と笑顔で話しかけても返事がありません。
妻は寝不足だったり、疲れが残っているときなどは、朝起きてきても無表情で一言もしゃべらないことも多いので、この日もそうなのかと思っていました。
そしていつもなら笑顔を返してくれる私の冗談にも応えず、「ゴミいっぱい溜まってるよね」「どうして捨ててくれなかったの?!」と冷たい表情で言い放ちます。。。
私は焦って「いや…夕べ遅くまで仕事してたから、朝起きられなかった…ごめん」っていうと、「ゴミがいっぱいになっても嫌じゃないの?」、「ゴミぐらいちゃんと捨ててね!」とだけいうと、無言で朝ご飯を用意して食べ始めました。。。
そして食べ終わると、また無言で自室に戻っていきます。。。
このこと以来、私はそれまでのスマホの目覚ましに加え、昔使っていたガラケーの目覚ましの2つをセットして寝るようにしました…。
数日後、仕事が落ち着いて機嫌が良くなった妻に改めてゴミを捨てられなかったことを謝ると、「遅くまで仕事してたもんね、しょうがないよ」とニコニコしながら返事してくれました。。。
要するに、あの日の妻は単に機嫌が悪かっただけだったのです。。。
怖かったぁ。。。
機嫌がいい時は無邪気になり、機嫌が悪いと厳しく私の生活指導をしてくれる…
私は、こんな妻が大好きです…。